2022年4月に惜しまれつつもこの世を去った日本を代表する漫画家・藤子不二雄A氏。
子供向けのギャグ漫画から大人向けのブラックユーモア漫画など幅広いジャンルを描いた彼の作品は、多くの人を虜にしました。今回は、追悼の意を込めて藤子不二雄A氏の代表的な名作漫画を5つ紹介します!
藤子不二雄Aとは
- 本名:安孫子 素雄(あびこ もとお)
- 出身地:富山県氷見市
同郷の幼馴染・藤本弘(後の藤子・F・不二雄)と漫画家を目指し上京。1951年にコンビを結成し、ペンネーム「藤子不二雄」名義で共作して多くの漫画を執筆します。方向性の違いにより1954年にコンビを解消しますが、それぞれ藤子不二雄A、藤子・F・不二雄として数々のヒット漫画を世に送り出しました。
藤子不二雄Aの愛すべき名作マンガTOP5!
TOP5:『忍者ハットリくん』
忍者の里・伊賀から修行のために上京したハットリカンゾウが、居候先の息子・三葉ケン一や仲間たちと戯れる生活ギャグ漫画です。現代社会に突然忍者を紛れ込ませたらどうなるか?という観点で、ライバルの甲賀忍者・ケムマキや弟のシンゾウ、飼い犬の獅子丸などの個性的なキャラクターたちが巻き起こす騒動を面白おかしく描き、子供たちを虜にしました。また、忍術の豆知識を紹介するなど知的好奇心をくすぐる描写も盛り込まれています。
2004年には香取慎吾主演で実写映画も制作され、国民的漫画として多くの人に愛されています。
TOP4:『怪物くん』
わがままで強引な怪物ランドの皇子「怪物くん」が、オオカミ男・ドラキュラ伯爵・フランケンシュタインを引き連れて人間界に修行へ行き、アパートの隣に住む姉弟と友情をはぐくみながら、成長するギャグ漫画です。怪奇映画が大好きだったA氏が、青春時代に流行していたモンスター映画にインスパイアされてできた作品となっています。1960~80年代には子供向けにアニメ化もされましたが、2010年に嵐の大野智主演でドラマ化され再ブームを巻き起こし、その独特な世界観は世代を問わず多くの人を魅了しました。『怪物くん』といえば、この実写ドラマを思い浮かべる方の方が多いかもしれませんね。ちなみに、怪物くんのモデルは、常に半ズボンをはき駆け回っていた活発な姪っ子だそう。
TOP3:『魔太郎がくる!!』
いじめられっ子の中学生・浦見魔太郎が、どうしても許せない理不尽ないじめに対して超能力やオカルトアイテムを駆使して夜な夜な復讐をする凄惨なホラー漫画です。自身もいじめられっ子だったA氏が、全国のいじめられっ子たちのうっ憤を代弁し、恨みを晴らす魔太郎を見てスカッとしてほしいという願いを込めて執筆したこの作品。『怪物くん』や『ハットリくん』などの明るい少年向けの内容からは想像しがたい、陰湿な復讐方法が心に重くのしかかる人間臭さが溢れる作風は、A氏ならでは。この作品を読んだいじめっ子が恐怖を感じ、少しでも人に対して優しくできたらいいなと願わずにはいられません。
TOP2:『まんが道』
マンガを通じて意気投合した、満賀道雄と才野茂。漫画家を目指す2人の青年が上京し、夢をつかむまでの苦悩や葛藤を描く青春ストーリーです。A氏の体験をもとにした自伝的漫画で、1970年に連載がスタートし、2013年に完結。約43年にわたる最長連載作品は、漫画家のみならず、夢に向かって突き進む若者のバイブル的な存在となっています。国民的漫画が生み出された背景は非常に興味深く、この作品を読んでから感じるA氏とF氏2人の藤子不二雄への感情が、より親しみのあるものへと変化すること間違いなしです。
TOP1:『笑ゥせぇるすまん』
悩める人の傍に突如現れる謎のセールスマン「喪黒福造」が、条件付きで客の要望をかなえるものの、欲望に負けて忠告を破ってしまう客に制裁が下されてしまうというオムニバス形式のブラックユーモア漫画です。人間の内面や欲望をあぶりだすスリリングなストーリー展開は、「負」の感情をうまく扱うA氏の真骨頂ともいえるでしょう。アニメ化やドラマ化、CMなどのメディアでも多く取り挙げられていて、不気味なキャラクターや決め台詞の「ドーン!!」が忘れられない方も多いのではないでしょうか。現在YouTubeアニメ「笑うセールスマン」公式チャンネルで無料配信されているので、お気に入りのエピソードを見つけて人生の教訓にしてみてはいかがでしょう?
まとめ
今回は、誰もが知っている国民的な漫画を数多く手がけた藤子不二雄A氏の代表的な作品を5つ紹介しました。今回紹介しきれませんでしたが、『プロゴルファー猿』、『少年時代』など、どの作品も名作ばかりです。追悼の気持ちを込めて、片っ端から読んでみるのも楽しいかもしれませんね!